2026年5月2日

ストレスチェック義務化
50人未満の中小企業が知っておくべき対応策

チェックリストに記入する手元

「うちは50人未満だから、ストレスチェックは関係ない」
「努力義務と聞くけど、実際何をすればいい?」
「やるなら、形式だけじゃなくて社員の役に立つ内容にしたい」
そんな中小企業の経営者・人事担当者に向けて、ストレスチェックの基本と、50人未満でもやっておくと得する対応策を整体師の視点でまとめました。

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度とは、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐため、年1回、社員のストレス状態を質問票で把握する仕組みです。労働安全衛生法に基づき、2015年12月から始まりました。

目的は大きく2つあります。

つまり「不調者を見つける検査」というより、不調になる前に職場と本人に気づきを与える仕組みです。

50人以上の事業場は「義務」、50人未満は「努力義務」

法律の書類とペン

ストレスチェック制度は、事業場の規模によって扱いが分かれます。

事業場の規模位置づけ実施内容
常時50人以上義務年1回実施、労基署への報告義務あり
常時50人未満努力義務実施が望ましいとされている

ここで注意したいのが「事業場単位」というカウント方法。会社全体で50人以上いても、支店ごとに分かれていて各拠点が50人未満なら、それぞれの拠点は努力義務扱いになります。逆に本社1拠点に50人以上集中していれば義務対象です。

50人未満の中小企業の現状

厚生労働省の労働安全衛生調査などでは、50人未満の事業場におけるストレスチェック実施率は 50%前後にとどまるとされています。背景には次のような事情があります。

ただし近年は、50人未満も含めて義務化する方向で法改正の議論が進んでいると報じられており、すでに先行して取り組む企業も増えています。「努力義務」のうちに体制を整えておくと、いざ義務化された時にあわてずに済みます。

50人未満でも実施するメリット5つ

① 法改正リスクへの先手

義務化が現実のものとなれば、未対応の企業は短期間での体制構築を迫られます。今のうちに 受託機関を選び、社内フローを作っておくだけで、移行コストを大幅に下げられます。

② 助成金の活用

ストレスチェックの実施や、その後の職場環境改善に取り組む中小企業向けに、各種助成金や補助金が用意されているケースがあります。「実施 → 改善 → 申請」の順で動けば、実質負担を抑えながら整備できます。

③ 採用・定着に効く

「うちはストレスチェックを実施しています」と求人票や会社説明で言えるかどうかは、若手・女性・中堅人材の意思決定に効きます。同規模で未実施の競合との差別化になります。

④ 健康経営優良法人の加点要素

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定では、ストレスチェックの実施や職場環境改善は 加点項目に含まれている取組です。認定を狙う企業なら、努力義務のうちに着手しておく価値があります。

⑤ メンタル不調の早期発見

休職・離職に至る前に「不調の兆し」を拾えれば、対応コストは桁違いに小さくなります。1人の休職コスト(採用・引継ぎ・代替要員)と比べれば、ストレスチェック費用は十分にペイします。

実施の5ステップ

社内会議でステップを確認する様子

① 方針決定

誰を対象にするか(全社員 or 一部)、どの時期に実施するか、結果をどう活用するかを経営層で決めます。「形式だけで終わらせない」と最初に宣言することが大事です。

② 受託機関の選定

多くの中小企業は、外部の検査機関やEAPサービスに委託します。比較ポイントは次の通りです。

③ 社員への説明

「人事評価には絶対に使わない」「結果は本人の同意なしに会社へ共有されない」という2点を、説明会や社内文書で必ず伝えます。ここを曖昧にすると、社員が本音で答えてくれず、結果の信頼性がガタ落ちします。

④ 実施

多くは厚労省版の「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使います。所要時間は5〜10分程度。Web受検なら集計も自動化できます。

⑤ 集団分析・改善

結果を部署別・属性別に分析し、ストレスが高い職場の原因を特定して改善策につなげます。ここを飛ばすと、ストレスチェックは「やっただけ」で終わります

ストレスチェック後の「フォロー」が成果を分ける

社員のケアを行う様子

ストレスチェックの本当の価値は、実施後の打ち手にあります。中小企業がやっておきたいフォローは3つです。

1. 高ストレス者の面談

本人の希望があれば、医師による面接指導を実施。費用は会社負担。早期介入で 休職リスクを大幅に下げられる

2. 職場環境の改善

集団分析でストレスが高かった部署に対し、業務量・人間関係・上司マネジメントを点検。1on1や業務分担の見直しから始める。

3. 運動・身体ケア(出張整体・ストレッチ)

意外と見落とされがちなのが、身体的な不調がストレス源になっているケース。腰痛・肩こり・睡眠不足は、それ自体がイライラ・集中力低下・抑うつ傾向につながります。

出張整体やオフィスストレッチを定期導入すると、「肩こりがマシになっただけで気分が前向きになった」という声がよく出ます。メンタルケアと身体ケアを分けて考えず、セットで運用するのが中小企業には現実的です。

ストレスチェックでハイリスクと出た部署に、まず 月1回の出張整体を入れる。それだけでも、社員は「会社が動いてくれている」と感じます。集団分析の結果を放置するのが、一番もったいないやり方です。

よくある質問

Q. 50人未満で実施する場合、費用はどのくらい?

A. Web受検中心の外部委託なら、1人あたり 500〜1,500円程度が目安です。集団分析レポートや面談手配を含めても、20名規模で年間数万円〜十数万円に収まるケースが多いです。

Q. 何年に1回やればいい?

A. 義務対象の事業場は 年1回と決まっています。50人未満も、年1回ペースで実施するのが標準。健康診断と同じタイミングにまとめると運用が楽です。

Q. 社員に受検を強制できる?

A. ストレスチェックは 本人の受検義務はなく、強制はできません。ただし「結果は人事評価に使わない」「個人結果は本人の同意なしに会社に共有されない」ことを丁寧に説明すれば、受検率は自然と上がります。

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