2026年5月8日

メンタル不調の前兆
上司が見抜く5つのサイン

疲れた様子の社員と上司の1on1の場面

「最近あの社員、なんか元気がない」
「ミスが増えてきた気がする」
「気のせいかな、と思って様子を見ていたら休職してしまった」
社員のメンタル不調は「いつもと違う」を最初に気づくのが上司です。本記事では、現場で見抜きたい5つのサインと、踏み込みすぎない声かけ方を整体師の視点でまとめました。

なぜ「上司の早期発見」が重要なのか

厚生労働省の調査では、メンタル不調による休職は平均で約3〜6ヶ月に及び、復職後も再休職率が高いとされています。1人の長期休職が中小企業に与えるダメージは、欠員補充・引き継ぎ・採用コストを含めて数百万円規模にのぼることも珍しくありません。

一方で、不調の初期段階で気づき、業務調整や産業医面談につなげられたケースは、休職せず回復するケースが多いことも分かっています。鍵を握るのは、毎日近くで見ている直属の上司の観察眼です。

「人事や産業医の仕事でしょ」と思われがちですが、人事は普段の様子を知りません。サインに最初に触れるのは、間違いなく現場の上司です。

上司が見抜きたい5つのサイン

オフィスでミーティング中のメンバーを観察する管理職
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サイン①:出勤・遅刻パターンの変化

最も分かりやすい初期サインです。これまで遅刻ゼロだった社員が月に2〜3回遅刻するようになった、有給を細切れに取り始めた、月曜の欠勤が増えた、などの変化です。

体調不良の理由が「頭痛」「胃の不調」「不眠」と身体症状で表現されている場合でも、メンタル不調の身体化として現れている可能性があります。

観察ポイント:勤怠データを月単位で並べ、過去3ヶ月との差分を見る。

2

サイン②:業務パフォーマンスの低下

これまで普通にこなしていた業務でケアレスミスが増える、納期に遅れる、判断のスピードが落ちる、といった変化です。本人も気づいていることが多く、自己否定的な発言(「自分は使えない」「迷惑をかけている」)が増えるのも特徴です。

注意したいのは、「忙しいから仕方ない」で片付けないこと。繁忙期でも普段通りにやれる人が、なぜか今回だけパフォーマンスを落としているなら、不調のサインを疑います。

観察ポイント:ミスの内容を見る。「うっかりミス」が連続している場合は、注意力・集中力の低下を示唆。

3

サイン③:表情・コミュニケーションの変化

笑顔が減る、目を合わせなくなる、雑談に入ってこなくなる、相槌が減る——これらは本人の自覚なく現れる無意識のサインです。とくに「いつもより口数が減った」「リアクションが薄い」は要注意。

逆に、普段静かな人が急に多弁になる・テンションが妙に高いケースもあります。これは躁状態・過剰な防衛反応の可能性があり、こちらも注意深く見る必要があります。

観察ポイント:朝の挨拶・1on1・チームMTGでの様子を意識的に観察。

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サイン④:身だしなみ・身体面の変化

髪型が乱れる、服装に気を遣わなくなる、化粧が薄くなる/しなくなる、体重の急激な変化(増減)、顔色が悪い、目の下のクマが濃くなる——これらはセルフケアの余裕がなくなっているサインです。

不眠が続くと顔・姿勢に必ず出ます。姿勢が前のめりになり肩が上がりっぱなしになっていたら、慢性的な緊張状態を疑います。整体師の視点では、こうした身体的な硬さは精神的ストレスの結果として現れることが多いです。

観察ポイント:朝の出勤時の様子・午後の表情・退勤時の歩き方を比較。

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サイン⑤:人間関係・行動範囲の変化

ランチに誘っても断るようになった、休憩時間に1人でいる時間が増えた、社内チャットの反応が遅くなった、飲み会・社内イベントを連続欠席する——「人と関わる行動が減る」のは典型的なサインです。

逆に、特定の同僚との距離だけ急に縮まる場合もあります。誰かに頼りたい・話を聞いてほしいという無意識の表れであることもあるため、本人の人間関係パターンの変化を全体で見ます。

観察ポイント:休憩時間・ランチ・退勤後の行動の変化に注目。

5つのサインを表で整理

サイン見るべきポイント気づきやすい場面
① 勤怠の変化遅刻・欠勤・有給消化の急増勤怠データ・朝礼
② 業務の質低下ミス・納期遅れ・自己否定発言レビュー・1on1
③ 表情・会話笑顔減・目線回避・反応の鈍化挨拶・MTG
④ 身だしなみ・身体服装・顔色・姿勢の変化出退勤時
⑤ 人間関係ランチ・雑談・イベント参加の変化休憩・退勤後

サインに気づいたときの声かけ方

1on1で部下に丁寧に声をかけている上司

① 「いつもと違う」を具体的に伝える

「最近どう?」だけでは本人も答えにくいです。「先週から朝の挨拶が少なくなった気がしてね」と、観察した事実を1つだけ伝えるのがコツ。「気にかけている」ことが本人に伝わります。

② 原因を詰めない・診断しない

「何があったの?」「なんで?」と原因追及すると、本人は責められていると感じて閉じます。「うつなんじゃない?」など素人診断はNG。原因はプロ(産業医・カウンセラー)に任せ、上司は「気づいて、つなぐ」役に徹します。

③ 業務調整の選択肢を先に示す

「今、抱えている案件のうち、誰かに振り直せるものはある?」と具体的な業務調整カードを上司側から提示。本人から「助けて」と言える人は少ないので、こちらから選択肢を出すと負担が減ります。

④ 産業医・EAP窓口を案内する

「人事に話したくないなら、社外のEAP窓口もあるよ」と選択肢を複数示す。本人が選べる状態にすることが大切です。「相談してみたら」と背中を押すのではなく、「使える資源がある」と知らせるイメージ。

早期発見の仕組みを社内に作る3つの工夫

  1. 月1の1on1を15分でも続ける:頻度が下がるほどサインに気づきにくくなります。短くてもよいので定期接点を確保。
  2. 勤怠データを月次でレビューする:人事と上司が、遅刻・欠勤・有給消化を月次で見る場を作る。データから始めると感情論になりません。
  3. 身体ケアの場を社内に置く:出張整体・オフィスストレッチなどの場は、会話のきっかけになります。本人が「実は最近眠れない」と話し出すことも多く、上司が知らない情報をキャッチできます。

よくある質問

Q. 部下のメンタル不調に踏み込むのは怖いです。上司として何をどこまでやれば?

A. 上司の役割は「気づく・声をかける・つなぐ」までで十分です。診断・治療はプロに任せるもの。深く踏み込みすぎず、「あなたを気にかけている」と伝え、産業医や人事に橋渡しすることを目標にしてください。

Q. 人事から「メンタル不調を見抜けと言われても困る」と現場の上司が反発しています

A. 「見抜く」のではなく「いつもと違うに気づく」と表現を変えると、現場の負担感が減ります。診断ではなく観察。観察は誰でもできます。

Q. 整体やストレッチがメンタル不調の予防になりますか?

A. 直接の治療ではありませんが、身体的緊張をほぐすことで睡眠の質が改善し、ストレス耐性が上がる効果は確認されています。また、定期的な施術は「ちょっとした不調を口にできる場」として機能し、上司が知らない情報を本人がこぼす場面が多くあります。

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