2026年7月24日

緊張型頭痛と肩こりの関係
デスクワーカーに多い"頭が重い"の正体と対策

首や肩に手を当てるデスクワーカーのイメージ

「頭が締め付けられるように重い」「こめかみのあたりがズキズキする」「夕方になると頭がぼーっとして集中できない」。こうした不調を抱える社員は、実は珍しくありません。多くの場合その正体は、脳の病気ではなく肩こり・首こりが引き起こす「緊張型頭痛」です。本記事では、緊張型頭痛が起きるメカニズムと、企業として何ができるのかを整体師の視点で解説します。

実は日本人の3人に1人が経験する「緊張型頭痛」

頭痛と聞くと「片頭痛」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本人に最も多い頭痛は実は緊張型頭痛です。国内の疫学調査では、成人の2割から3割が緊張型頭痛を経験しているとされ、特にデスクワーク中心の職種で発症率が高い傾向があります。

緊張型頭痛の特徴は、頭全体が締め付けられるような重だる痛みで、吐き気や光への過敏さを伴う片頭痛とは性質が異なります。多くの場合、痛み止めを飲んでもスッキリせず、「なんとなく調子が悪い」状態が続くため、本人も周囲も単なる疲れだと見過ごしがちです。

肩こりが頭痛に変わるのか

デスクで首をほぐすビジネスパーソン

首から後頭部にかけては、僧帽筋・頭板状筋・後頭下筋群といった筋肉が頭蓋骨を支えています。長時間同じ姿勢でパソコンやスマートフォンの画面を見続けると、これらの筋肉が緊張し続け、血流が悪化します。すると筋肉内に疲労物質が蓄積し、周辺の神経を刺激して痛みを引き起こします。これが緊張型頭痛の主なメカニズムです。

つまり緊張型頭痛は「肩こり・首こりの延長線上にある症状」であり、肩や首をケアせずに頭痛薬だけで対処しても、根本的な改善にはつながりにくいのです。実際、整体の現場で「頭痛持ちです」と話す方の首や肩を触ると、驚くほど強い張りがあるケースがほとんどです。

デスクワークで負担が集中しやすい3つの姿勢

特に緊張型頭痛のリスクを高める姿勢として、次の3つが挙げられます。

① 前かがみで画面をぞき込む姿勢:頭は成人でも約5キロあり、前傾するほど首への負荷は倍増します。② 肩をすくめたままのタイピング:無意識に肩が上がった状態が続くと僧帽筋が常に緊張します。③ 長時間同じ姿勢を続けること:姿勢の良し悪し以前に「動かないこと」自体が血流悪化の最大要因です。

企業が見過ごしやすい「隠れた生産性ロス」

緊張型頭痛は命に関わる病気ではないため、多くの社員は「頭痛くらいで休めない」と我慢して働き続けます。しかしこの状態はプレゼンティーズム(出社していても生産性が落ちている状態)の典型例です。頭が重くぼんやりした状態での判断ミスや集中力低下は、本人も気づかないうちに業務の質を下げています。

また頭痛が慢性化すると、市販薬の使用過多による「薬物乱用頭痛」を引き起こすケースもあり、これは症状をさらに悪化させる悪循環につながります。会社として「頭痛は個人の体質の問題」と片付けず、環境要因として捉える視点が重要です。

企業ができる3つの対策

緊張型頭痛の予防には、根本原因である首・肩の緊張をこまめにほぐす仕組みが効果的です。

① モニター位置と椅子の見直し:目線がやや下向きになる高さにモニターを設置し、前傾姿勢を減らすだけでも首への負担は大きく変わります。② 1時間に1回の姿勢リセット:立ち上がって肩を回す、首をゆっくり左右に倒すだけでも血流は改善します。③ 定期的な専門家によるケア:自己流のストレッチでは届きにくい深部の筋肉(後頭下筋群など)は、国家資格保有者による施術で直接アプローチできます。

整体師として現場に入っていて感じるのは、頭痛持ちの社員ほど「自分では気づいていない緊張」を首や肩に抱えているということです。第三者の手でほぐしてもらって初めて「こんなに硬かったのか」と気づくケースが非常に多く、セルフケアだけでは限界があります。

まとめ:頭痛は"我慢するもの"ではなく"整えるもの"

緊張型頭痛は、肩こり・首こりという分かりやすい原因から起きる症状です。市販薬でその場をしのぐのではなく、根本にある筋肉の緊張を定期的にケアすることが、社員の集中力と生産性を守る近道になります。「頭痛くらいで」と我慢させない環境づくりが、結果的に会社全体のパフォーマンスを底上げします。

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